藤原さくらの最高傑作は「full bloom」で決まりか?

藤原さくらのアルバム

今(2017年7月)時点で出ているアルバムは以下の通り。

 

PLAY (初回限定盤)

PLAY (初回限定盤)

 

 

 

good morning

good morning

 

 

 

à la carte

à la carte

 

 

 

full bloom

full bloom

 

 

 個人的には、「full bloom」が傑出しているように思うので、それを理由とともに述べてみようと思う。

歌詞が良く、アルバム全体で統一感がある

最近の作品は、いかにもJPOP的な、典型的なラブソングが主流。でも full bloom は違う。アルバム全体を通じて流れているのは、「十代特有の焦り・悩み・モヤモヤ感・やけくそ感」である。たとえラブソングであっても、根底にこのテーマが流れている。

 

M1 「passing time」は友や恋人?の成長に置いていかれる不安を歌っている。M3「綺麗な夜」では暗闇にお互いを見失った関係を。M11「Lucky boy」は背伸び、ヤケクソ、高揚感にあふれている。おそらく「Lucky lucky boy (girl)」のサビから作った曲なのではと感じる。サビだけ聞いてわかるのが良いポップソングだと思う。そういうふうに作っていて見事。

高校生からの曲を集めたアルバムだそうで、純粋に歌いたいこと、歌いたい曲だけを作品にできたのだろう。なかなかできることではない。

 

 

独特のフォーク調サウンド

例えば、M2 「Ellie」 M5「流れ」など、フォーク弾き語りサウンドが目立つのだけれど、おそらく日本の昔フォークとかディランとかをリスペクトしている感じとは違って、極めてニュートラルに、純粋にギターを引く自分の、自分で奏でる歌、としてとらえているのではないかと感じる。特にM5「流れ」は極めて自然で、充実しているのだけれど、はっと気づくと、ギター1本の弾き語りだったことに後で気づく。「弾き語りが目的なのではなく、歌が映えるアレンジを探して結果的にそうなった」のではと察する。

百花繚乱のJPOPにあって、オリジナリティは貴重。少なくともこの、フォーク と JPOP と 独特の低音ヴォーカルが入り混じった「full bloom」 に似たJPOP は聞いたことがないし、これから出てくるかどうかもわからない。

 

 

けっこう巧みなアレンジとリフの良さ

 フォーク一辺倒ではなく、随所のアレンジが光る。圧巻なのはM12「Goodbye」。恐らく、冒頭のギターリフからできた曲で、これを聞かせたかったんじゃないだろうか。で、アレンジはポストロック調で、ギターリフをループっぽく鳴らして載せることによりしっくりと仕上がっている。リフができたときに「やった!」と思うまではだれでもあるけれど、それをしっかりとした曲にまとめあげているところが、すごい。

 

ボーカル表現力の豊かさ

同じような声に聞こえるが、曲によって歌い方がかなり違う。まず、日本語と英語で歌い方が違うのはわかる。日本語の曲でも使い分けをしている。例えば M10「愛の街」のクールな、突き放すような声とそれに続く M11 の無邪気さを比べれば明らかである。

 

以上をまとめると、林檎 & 宇多田 以来?

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ここ数十年で最も影響力のある女性シンガーソングライターといえばこの二人じゃないだろうか。ふたりともソロデビューを飾ったのは1998年のほぼ同期。藤原さくらはこれに続く存在だと感じる。